コラム:パチンコ店経営を考えるポイント

時代は変わる(3)

現在、パチンコ業界の市場は縮小へと向かいつつあります。

では、この市場縮小は避けられないのか?という問題ですが、私個人としての意見では、市場拡大は確定できないにしろ

「縮小は充分避けられるのではないか」

と思っています。

前回のコラムで示したグラフでは、現在のパチンコ・スロット市場は明らかに成熟期であり、今後衰退していくことが予測されます。

ただしこれは、あくまで市場全体を現しただけの数字です。

商品としてライフサイクルを見ていくと、前回のコラムで示したグラフの様に単純ではなくなります。

というのも、ご存知の通りパチンコ業界では黄金期と呼ばれる時期が3度来ています。

第一次黄金期(正村ゲージ登場の後、連発式が登場)
第二次黄金期(業界再編後、役物チューリップ登場)
第三次黄金期(ドラム式フィーバー機、CR機の登場)

大きく新形態に変更した機種が開発され登場した場合には、いずれも黄金期が訪れています。そして黄金期が来ると、必ず規制により不況が訪れています。

この一形態をひとつの商品としてライフサイクルに当てはめてみると

連発式機種は成長期を迎えた後、規制により衰退期に直行。
しかし代替商品である役物チューリップ機種の登場で、この商品が成長期へ。
その後、衰退期を迎えるが、さらに代替商品であるドラム式フィーバー機が登場、成長期へ。
今度は、このドラム式フィーバー機の衰退を待たずにCR機が導入。
CR機は成長を向かえ、ドラム式フィーバー機は衰退期へ。
そして規制による成熟期突入・・・・

通常の商品ライフサイクルと同様、パチンコ業界は、一商品が成長期を向かえ衰退期に入ると、代価商品を登場することで、再び業界を活性化させてきました。

このことから分かる通り、現在パチンコ業界で求められているのは、パチンコ機のマイナーチェンジではなく、全く新しいメジャーチェンジ商品であるということです。

商品は生き物と一緒ですから、必ず衰退します。しかしどの様な業界でも、必ず代替商品が導入されていくのです。パチンコ業界も、新たな代替商品の登場とそれを可能にする環境整備によって、単純に衰退していく道は避けることが可能なのです。

 

しかし、私は不思議でならないことがあります。

パチンコ業界というものは、風俗に関する問題と密接にかかわっていますから、盛況を迎えれば、必ず監督官庁から「規制」というものがかけられるのです。

これは、珍しいことでもなんでもなく、ごく当たり前の事なのです。

そして既に黄金期と不況を繰り返し経験してきたのが、パチンコ業界です。

CR機が導入され、業界が躍進した時点で、既に規制がかかることなど、目に見えて分かっていなければなりません。そして規制されれば、その商品・市場は停滞し衰退していくことも、分かっていておかしくないはずです。

なのに、なぜいつも後手にまわるのか?

10年以上前、CR機が導入され業界が成長した時点で、すでに規制による停滞が発生することを予測して経営戦略を組み立てていた企業が、一体どれ程あるのでしょうか?

規制がかかることを予測して、業界は何か未来に向けての対策を打っていたのでしょうか?

この業界では、初めての経験ではないはずなのです。なぜ、経験則を活かせない?

現在業界では、混迷するこの時期からの脱出に向けて、色々と模索をしています。上手く行けば、この混迷する時期を脱出し、業界衰退を防ぐことが可能です。

しかしながら、結果がどうであれ一パチンコ店を運営する立場の人たちは、現在のこの状況を乗り切ることを考えなければなりません。

現在は市場停滞期、そして衰退へと向かいつつあります。そして力ある企業だけが、その間も成長し続けています。

そのための経営戦略を、今組み立てていかなければ、仮に追い風が吹いたとしても、上手くそれに乗り切ることは出来ないでしょう。

2004年9月11日

ホール運営研究会
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